8月15日の夢(K社長のくれた本)

 ホテルに帰ろうと地下道を歩いていると、S社社長のK氏が反対側から歩いてきたので、すれちがいざま声をかける。「やあ、久しぶり」と語り合ううち、彼がもう故人であることを思い出す。別れ際に彼は袋いっぱいの本をくれる。

 帰宅すると、二階から一階に下りる階段の踊り場に、おもちゃのカラスがいる。カラスの体は黒い球体で、足、耳、翼が外に突き出ている。ちょんとカラスの背中を押すと、カラスは足、耳、翼をそれぞれ足のようにステップにつきながら、ちょんちょんちょんと上手に階段を降りていく。

 K社長から貰った本を取り出そうとして、袋の中身を全部床にぶちまけてしまった。その中にぼくが最近作った記憶のある表紙の詩集があって、変だなと思う。

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8月9日の夢(新連載マンガの企画書)

 ぼくは広告プロダクションでPR誌を編集している。オフィスはとてもゆったりとして、デザイン性の高い室内に座り心地のよいソファーが点在している。

 ぼくの担当する雑誌の新連載マンガの企画書が出来上がってきた。ちょうどクライアントの男性がやってきたので恭しく迎え入れ、打ち合わせのソファーへ案内しようとしたところで、彼に電話がかかってきた。「急いで行かなければならなくなった」と言う。出口に向かう男と並んで歩きながら、ぼくは企画書の概要を説明する。何人かの編集者がそばにいるが、ぼくは一対一で男と対峙する。緊張の一瞬だ。「一番の問題点は、このマンガでは殺人犯がマンガの発注者自身だということです」とぼくは言う。しかし男は動じず、企画にはゴーのサインが出た。ぼくと仲の悪かった前編集長のK女史がなぜか「よかったわね」とにこにこしながら声をかけてくる。

 ぼくはほっとして階段を降り、男を玄関まで送り出す。男の姿が道路の向こう側の舗道に消える。二人を隔てる道路がまるで渡れない川のように見えてくる。

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8月1日の夢(テロリスト)

 ぼくは東京で会社員をしているが実はテロリストだ。仲間たちは東京で集会の準備をしているが、ぼくは一人抜けて名古屋港での集会に参加する。そこでは二人の映画監督がYouTubeとシアター版の二本のドキュメンタリー映画を撮影中だ。ぼくも座り込み等のシーンで画面に登場する。東京の仲間たちに「今日は名古屋の集会に出るので、東京の集会には出られない」と電話をしたいが、自慢して映画出演の話をばらしてしまいそうだ。こういうところから情報がバレていくんだなと自戒する。

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7月25日の夢(年鑑と倒産)

 いよいよ年末である。デスクの上には年鑑号のゲラがある。ぼくは資料を山積みにして、それを校正しようとしている。そこへクライアントから電話があり、「もう校了にしなさい」という命令だ。オフィスを見渡すとF氏をはじめ、既に物故した老詩人たちが多数挨拶に訪れている。印刷所の営業マンもやってきて、さあいよいよ校了だ。社長もやってきて、これで会社は倒産することになったという。

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7月22日の夢(ボタ山とチンチン電車)

 妻から原稿をA新聞社に届けるよう頼まれた。ここは東京から遠く離れているので、銀座まで直通で行ける電車はない。乗り継ぎでもいいからとにかく電車の駅を探そうと、雨の街を歩く。前方からチンチン電車が三台横に並んでぼくの方に向かってくるのを避ける。

 駅は地下にあって真っ暗だ。とても広くて天井も高い。ボタ山のようなものがいくつもそびえている中を一両だけの電車がやってきた。乗客たちが何本もあるホームを右から左へと移動するので、ぼくもそれについていく。すると前方から一人の男が近づいてきて、「奥様の撮られた写真が一等賞をとられました」と言うので驚く。一刻も早く伝えようとやってきたらしい。

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7月20日の夢(水当番と古いピアノ)

 今日は町内の水当番の日だ。ぼくの暮らしている町はどの建物も、古い木造の二階建てで、壁のかわりに全面がガラス戸におおわれている。サッシではなく、木製のガラス戸に西日が当たっている風景は、どこかレトロな昭和を思わせる。そして町の真ん中を小さな川が流れている。水量は多い。岸辺には四角い穴があいていて、水栓が設けられている。その水栓にホースを結び付け、町中の建物に勢いよく水を噴射して汚れを洗い落とすのが、水当番の役目である。水当番をしている間、町には全く人影がない。終わって水栓を閉めるべきかどうか迷うが、わからないのでそのままにする。昨日まで中国へ行っていたので忙しかったなと回想するが、いやいやあの中国出張は夢の中の話だったと思い直す。

 家の中に入る。部屋には買ったばかりのピアノが置かれている。とてもクラシカルな家具調の古いピアノだ。まだ調律がされていない。ギターを取り出して、それに音律を合わせようとするが、ギターも全部弦がゆるんでしまっている。もう一台、部屋には古いピアノがあるが、どの鍵盤を押さえればどの音階が出るのかすっかり忘れてしまっている。

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7月13日の夢(夢についての講演)

 夢の中で夢についての講演をしている。会場は半屋外で、天井はあるが、四方には柱があるだけで、壁はない。スロープ状になった観客席は丘のようで、その頂上から少し下のあたりにぱらぱらと聴衆がいる。ほとんど宣伝をしなかったのに、結構な人数である。

 司会者がぼくを紹介し、マイクの前に座って話し出す。ちょうど正面に太い柱があって、聴衆からぼくの顔が見えないので、少し席の位置をずらす。

 あらかじめノートを用意していたが、スロープをゆっくり歩きながら、殆ど即興で話し出す。たまたま隣の敷地にある病院の外廊下をナースが駆け足で走ってコピーを取りに行くのを見ながら、「夢はゼロックスのような昔のコピー機で、コピーをとるのに似ています。拡大コピーを重ねると、だんだん粒子が粗くなり、もとの画像とは似ても似つかぬものになる。夢はこれに似ています。」「よく見る夢で、夢の中で映画を観るんです。その映画はフルカラーでシネマスコープです」。

 そろそろ約束した講演の終りの時刻だ。まとめに入ろうとすると、司会者が「先に〇〇さんがまとめを言ってからでもよいですか」と尋ねるので、しかたなくOKを出す。指名された〇〇さんは若い学生風の男で、「この会はもっと頻繁に開きたいのですが、めったに開催できないのが残念です」と挨拶する。ぼくは夢について講演するのはこれがもう7~8回目だと言いたかったのだが、言うチャンスを失ってしまった。

 ふと見ると、マイクの置かれたテーブルに掌大の褐色の虫がいる。そういえばこの虫は生きているのか死んでいるのか分からないが、講演の初めからここにいた。そこにそうやって虫がいる偶然性についても話そうとしていたのに、結局話すのを忘れてしまった。

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6月24日の夢(女系家族の家でキャベツをご馳走になる)

 出版社を経営する女性社長のTさんの家に遊びに行く。畳敷きの部屋に上って夕方まで長居してしまった。お茶菓子のかわりに立派なキャベツを丸ごとご馳走になり、生のままぼりぼりとかじる。とても美味しい。そろそろ失礼しなくてはいけないので、キャベツをレジ袋に戻す。何枚か葉っぱを食べてしまったものの、きれいな楕円形をしているから、問題ないだろう。

 Tさんの家には小学生からティーンエイジャー、中年の姉妹もいるが全員が女性である。きっと女系家族なのだろう。だが次の瞬間、ぼくは眼鏡をかけた若い男性とお風呂に入っている。

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6月20日の夢(車になった船)

 港をタンカーがさまよっている。やがてタンカーは白くて美しい帆船に変わり、陸に上がって街の道路を疾走し始める。ぼくは知人の運転する車に乗っていたが、その帆船が追いかけてくるので、ぶつけられないよう必死で逃げ回る。やがて帆船は美しい大型のオープンカーに変身する。

 オープンカーから降りてきたのは詩人たちだった。彼らは森の中に棄てられたピアノの周りに集まって朗読会をすることになる。一人の男性がピアノを蘇らせようと近づいていくので、ぼくも手伝おうと後を追う。鍵盤を叩いてみるが巻き付いた蔓の棘が指に刺さるだけで音は出ない。よく見ると、足踏みペダルがついている。ピアノではなくオルガンだったのだ。男性がペダルを踏み、ぼくが鍵盤を押すと美しい響きでオルガンは鳴った。ぼくは詩人たちのところへ戻り、「あの船は車に変わったけれど、船だったときの帆柱や船室はどこへ行ってしまったんだろうね」と尋ねる。

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6月19日の夢(クビになる)

 会社の仕事をさぼって詩のイベントに参加する。ベテランだからと舞台でしたくもない挨拶をさせられるのはいやだ。隅の方に身を隠そうとしていると、おせっかいな女性詩人のWさんとそのお母さんがやってきて見つかってしまった。自分たちのソファーの隣を勧められるので、しかたなくそこに座る。そこへ副理事長のAさんが現れ、開会を宣言した。このままではぼくも指名されるだろう。困ったなと思っていると、ポケットのケータイが鳴った。廊下に出ると、伝言メモが入っていて、会社で留守中に上司が探し物のため、ぼくのデスクを開けたと書いてある。引き出しの中が汚いのにも驚いたが、それ以上に仕事とは無関係の私物がいっぱい入っていたのにも愕然としたという。どうやらぼくは会社をクビになるらしい。

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