1月6日の夢(誰かが狙っている)

 父が死んだ(夢です。現実の父は40年前に他界している)。それ以来、ぼくは常に背後から誰かに狙われている気がする。姿は見えないが、視線を感じるのだ。今日も新宿の街を周囲に気を配りながら歩いている。人々の視線が遮られる路地にはけっして入らない。
 昔、父の事務所になっていた建物に入る。かつて父が座っていた受付のようなデスクに、今は母が静かに座って、何か書き物をしている。広い長方形の部屋は周囲をぐるりと囲んで通路があり、それ以外は書類の積まれたデスクが置かれているが、誰もおらず薄暗い。母が玄関に向かって座っている左隅の受付から、ぼくは部屋を半周して、右の長辺にあたる窓際に進んでいく。いきなりぼくのズボンの尻ポケットを誰かの手がまさぐる。ぼくはぎくりとするが、母のいる建物の中で誰にも襲われるはずがない、錯覚だと信じようとする。だが何者かの手はぼくの尻ポケットをつかんだままで、ぼくは後ろを振り返ることさえできない。

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1月3日の夢(帰り道)

 大学からの帰り道を歩いている。本当は夕方から学内で人に会う約束があるのだが、人恋しいので帰る人たちに合わせて、駅への道をなんとなく歩いている。振り返ると、後ろからそれほど親しくはないけれど、知っている人たちが三、四人やってくる。彼らに声をかけて一緒に駅に向かう。
 途中にお店に立ち寄り、靴を脱いで上がる。ところがみんな別の出口から外に出ることになる。ほかの人たちはそちらに靴があったが、ぼくひとりだけ入り口に靴を置いてきたので、取りに戻る。ようやく靴をはいて出口から出たときには、もう誰の姿も見えない。駅に向かって歩き、小高い場所に出る。振り返ると、大学からここまでの道が真下に俯瞰できる。そこを長髪の若い男がじぐざぐに歩いてくるのが見える。彼は超能力者で、ぼくが夕方会おうとしていたのは彼である。その男に相談事があるらしく、手前から一人の女性が彼に近づいていく。二人はトラックの荷台をはさんで両側から向き合って座る。ぼくも彼らの話を聞きたい。狙いを定めて飛び降りると、ちょうど荷台の上のパラソルの上に着地できた。女性の隣にぼくも座って、男と向き合う。そんなふうに突然ぼくが現れたのに、二人とも驚く様子がなく、ぼくに気づかなかったように話を続ける。

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1月2日の夢(移動遊園地)

 移動遊園地が開催されているが、忙しい妻は少ししか楽しむことができなかった。夜、湖のほとりの家に戻ってくると、そこに移動遊園地がやってきてくれた。夜空にきらきら輝く移動遊園地で妻は思い切り楽しむことができる。
 
 以前にぼくが行った講演のテープ起こしが活字になって届いた。しかし録音できなかったところが多かったらしく、冒頭をはじめ大事なところが欠落していて、なんだか変な原稿になっている。
 講演会はもう終わりらしく、司会者がマイクで結びの挨拶をしている。ぼくは資料のファイルが床に散らばってしまい、膝を床についてそれを懸命に拾い集めている。会の終わるまでに揃えられるだろうか。何とか間に合いそうだと思う。

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2022年1月1日の夢(薬をいただく)

 妻と神社へ行く。手前に向けて斜めに置かれた板の上に、布袋が置かれている。胃袋のような形をして、複雑にねじれている。その中におひねりのようなものを妻がいくつも詰め込むと、かわりに神様が薬を袋に入れて返してくださる仕組みだ。
 それで終わったかと思っていると、その隣にももうひとつ袋が置かれている。また同じことをしなくてはいけないのか。今度の袋はねじくれていない。おひねりも入れやすい。それに対して、また神様の薬が出てくる。

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12月28日の夢(北村太郎さんとの飛行)

 詩人の会合に出席するため、飛行機に乗る。コロナで搭乗者が少ないため、座席は二つ並んだ席が前後に二列しかない。しかも座席はベッドのように大きく、前列と後列の間にほとんど隙間がない。そこに無理やりぼくは体を押し込むようにして座る。
 だが離陸するとき、座席は四つが横一列に並び、ぼくら乗客は窓から遠ざかっていく地面を眺めている。ぼくの左隣に座っているのは、故人である詩人の北村太郎さんだ。話し始めたときには座席は再び二列になり、しかも前後に向き合う形になる。「そういえば北村さんはぼくの会社に何度かいらっしゃいましたね」と話しかけるが、彼は思い出せない様子だ。「S社ですよ。ほらKのいたS社です」とぼくは畳みかけるが、やはり北村さんは怪訝な顔だ。「政府のキャンペーンの仕事をしていたのですが、あれは下請けの下請けでした。間に何社も入っているので、結果的に経費がものすごくふくらむのです。おまけに、途中に入った人が、自分のしたい仕事は自分でやろうとするから、とっても面倒くさくなるんです」とぼくが言うと、北村さんは困ったように苦笑する。

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12月27日の夢(廊下にある駅)

 学校の教室のようだが、ここは職場らしい。同僚たちが次々立ち上がり、教壇に立つ初老の上司(先生かもしれない)に報告をする。ぼくも「小物はぼくが全部確認できましたが、大物が残っています。回転するデスクとか棚とかです」と報告する。上司はちょっと考えるふうだが、やがて「なるほど」という感じで頷いてくれる。
 ぼくはデスクを逆さにして頭の上にかついで廊下を歩く。廊下の両側にはいくつも階段があり、番線と行き先が表示されている。上は駅のホームになっているらしい。五番線の階段下に来たとき、妻が「山手線内回り?」と尋ねる。ぼくは「そうだよ。早稲田へ行くんだから」と答えて、ホームに続く階段を登る。
 登りきるとそこはバス停で、ちょうどバスが出たところだった。そこにも先生のような上司がいて、乗客たちと向き合っている。妻は「レンタカー」と言う。ぼくはポケットから振替用紙を出して上司に見せる。上司は温厚そうな感じの職人ふうの風貌である。やはり思い出せないものを無理やり思い出したように、「ああなるほど」と言う。

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12月21日の夢(停電)

 家にいると突然電気が消えて、真っ暗になった。停電だ。直感的に何者かが襲ってくる、という恐怖にとらわれる。家族に声をかけて懐中電灯を探し、暗闇の中で上着を着て、カバンを背負い、襲撃に備える。だが、何事もないうち、電気が再びついた。

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12月13日の昼の夢(真っ赤な服を着る)

 ぼくの会社のフロアがまるでショッピングモールのようにだだっ広くなっている。たくさんの同僚たちがモールの店舗の中で忙しく立ち働いているが、ぼくはそこに席がない。ぼくは通路に低い台を持ち出し、その上にパソコンを置いて仕事しようとするが、男の同僚が「ちょっといい?」と言って、その台をさっさと持ち去ってしまう。ぼくは何もすることがないので、廊下をうろうろする。知人のパソコンを借りたいと思うが、それもどこにあるのか分からない。
 しかたなくランチをとろうと食堂へ行くと、そこは貸し切りになっていてパーティーの準備でおおわらわだ。そういえばさっきお誕生会のチケットを買ったんだっけと思い出す。なにげなくそばにあった上着を身に着けて廊下へ戻る。ふと自分の身だしなみを見ると、真っ赤な上着に真っ赤なズボンだ。これではあまりにけばけばしいと、たじろぐ。既にモールの中の同僚たちが気づいて、こそこそとぼくの悪口を言うのが聞こえる。どこでこの服を脱げばいいだろうか。

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12月13日の朝の夢(三つの椅子)

 文芸評論家で詩人のG氏が「あなたの会社に行ってもいいですか」と言うので、「いいですよ」と答えて、会社に連れてくる。ぼくの会社の従業員の数は来客に応じて、数百人単位で増えたり減ったりする。ぼくはG氏の訪問に応じて増えた従業員の数を、百人単位で数える。G氏は今度は「夜、お宅にお邪魔して、奥さんも含めて三人で寝てもいいですか」と尋ねる。「女性もいるのに一緒に寝るわけにはいかないですよ」と、ぼくは断る。
 クリニックで女医の診察を受けている。診察室には三つ葉のクローバーのような形に三つの椅子が並んでいる。ぼくは真ん中の椅子に座っていたが、部屋の脇を男性の医師が通り過ぎたのをきっかけに女医が別の席に移ったので、ぼくも右端の席に移る(女医の席の位置は記憶していない)。女医はぼくに「そうしたければ言ってくれればよかったのに」と言う。

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12月8日の夢(ベランダの怪しい男)

 夜中に気配を感じてふと起きると、ベランダに怪しい男の影が走った。若い男がぼくの家のベランダを行ったり来たりしている。窓のところに行って「何をしている?!」と怒鳴ったつもりだが、半分眠っているらしく、もがもがと力のない声しか出ない。その間も男はぼくを無視して、左右に走り回っている。
 見ると近くのどの家にもベランダに怪しい男が侵入している。それを察して、警察のヘリコプターが上空に現れ、さこからロープで警官がするすると降りてきた。警官は一人しかいないので、どの家の泥棒にも「おまえを捕まえに来たぞ!」というパフォーマンスをして見せるが、ベランダの怪しい男たちはまるでどこ吹く風である。

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