5月19日の夢(鍾乳洞トイレ)

 子供時代を過ごした名古屋の生家がぼくの勤める会社のオフィスになっている。編集室は畳敷きの居間だ。騒然とした中に新入社員の女性たちが今日から出社してきた。以前に他社で編集長をしていたといい、その時代からの部下も一緒だ。いかにもできる女という感じである。二人はとても忙しそうだが、ぼくは暇なので会社を出て、裏手にある都電にどこへ行くあてもなく乗り込む。銀座が終点のはずだが、窓から見える景色はいつまでも下町のままだ。街並みの上に東京タワーが見えてきたところで電車を降り、対向の電車に乗り込んで会社に戻る。
 編集室と廊下をはさんだ壁に二つのドアがある。トイレのドアだ。右のドアを開けると内側にさらにカーテンが降りている。それをめくると、中に男性が入っているのが目に入る。慌ててドアを閉め、今度は左のドアを開ける。その中は巨大な鍾乳洞のようなトイレで、右下にさっきのトイレで屈んでいた男性の姿も見下ろせる。二つのトイレは中でつながっていたのだ。
 夕方になり、お腹が減ったので、何か食べ物を買おうと外に出る。ビルの前に食べ物を売る屋台が並んでいて、コックの衣装を着た50代くらいの男性が店番をしている。右隣の屋台のおやじに彼は「こんな人通りのない状態で売れるかなあ」と話しかけている。ぼくはそのすきに、以前にその屋台で買ったエビフライの皿をこっそり店先に置いて立ち去る。

カテゴリー: | 5月19日の夢(鍾乳洞トイレ) はコメントを受け付けていません

5月13日の夢(CDショップ)

 妻と縁側にいると、近所の主婦が庭からやってきて、甲高い声で近所話をする。「このあたりはみんなが協同組合を作って牛乳などを生産しているのよ」。ぼくらの家にある牛乳パックを見て、「ああ、これは詩人のKさんたちの組合が作っているものよ」。
 原宿の裏通りにある会社に出勤する。近くにいいCDショップが出来て、行ったことがあったなと思い出す。昼休みにまたそこへ行こうと二階から階段を降りていくと、踊り場のようなところに中二階があり、ソファーで三人ほどの男女の社員が噂話をしている。「今度できたCDショップは当局の監視を受けていて、そこに行くとすぐしょっ引かれるみたいよ」という声が聞こえる。ぼくは「ふうん」と思うが、とにかくそこへ行くつめに外へ出る。原宿の街は左・真ん中・右の3ブロックに分かれているが、さてそのどのブロックにあったのか。さっぱり記憶が抜けている。真ん中のブロックにCDショップがあったので、とりあえず入ってみるが、どうやら問題のショップとは違うようだ。全体に赤と黒で色彩が統一されていて、ゴージャスな雰囲気だ。壁際にMacの機器なども並んでいる。しかしポップスのCDはないのだろうか。奥へ回り込むと、二階に通じる階段がある。ここを登ると、ぼくの欲しいCDが並んでいるのではないかと、期待がふくらむ。

カテゴリー: | 5月13日の夢(CDショップ) はコメントを受け付けていません

5月12日の夢(Mくんからの電話)

 川縁の道路を上流に向かって歩く。上流には米軍基地があるはず。対岸の低空に米軍のヘリコプターがホバーリングしている。しかし、見たこともない新鋭機だ。これは映画の一シーンで、CGで合成されたものではないか。引き返して会社に戻る途中、スマホに着信がある。30年以上前、会社で同僚だったMくんからだ。「懐かしいね」と会話するが、途中からMくんは「うん、うん」と気のない返事しかしなくなる。どうやら今の職場から電話しているため、遠慮しているのだろう。「Mくんはまだ60歳前だよね」と言うと、「そうだ」と言う。電話をしているうちに、ぼくの会社に着いた。会社の玄関は川が氾濫したのか。踝のあたりまで冠水している。意外に水圧が高く、体がもっていかれそうになる。

カテゴリー: | 5月12日の夢(Mくんからの電話) はコメントを受け付けていません

5月8日の夢(劇場で祈る)

 自宅のはずなのだが、大広間いっぱいに劇場のような座席があり、ほぼ満席の状態だ。どの椅子にも白いシャツを着た男性が身じろぎもせず、前を向いて座っている。正面には大きな祭壇か仏壇のようなものがあり、それに向かってぼくの妻が立ち、瞑目合掌している。ぼくも前方に進み、妻の前の椅子に座ろうかどうしようか一瞬ためらうが、すぐに彼女の左側に立ち、同じように瞑目合掌を始める。

カテゴリー: | 5月8日の夢(劇場で祈る) はコメントを受け付けていません

5月6日の夢(オフィスの掃除)

 招かれて現代詩のイベントに参加する。人気詩人たち(現実には知らない顔ばかり)と共に大きな会場の席について、開会を待っている。
 まだ時間があるので、会社にいったん戻る。ビルのワンフロアに広大なオフィスがあり、縦に何列もデスクが並んでいる。ぼくの席は窓に近い奥の方だ。ぼくのデスクの周囲にはたくさんのゴミが落ちている。手近にあった小型の塵取りと箒で掃除するが、すぐゴミでいっぱいになってしまう。大きな塵取りを取りに行き、戻る途中、オフィスの通路が左に直角に曲がっているところがある。そこに課長だか部長だかの上司のデスクがあり、ぼくは通路からはみ出し窓を乗り越えるようにして、その前を通り抜ける。女子社員がビットコインの話をしているのを聞いて、上司の男が「ビットコインって聞いたことがあるなあ」と間抜けな大声を出す。女子社員は「いまどきビットコインを聞いたことのない人ってないですよ」と笑い声をあげる。

カテゴリー: | 5月6日の夢(オフィスの掃除) はコメントを受け付けていません

5月4日の夢(ターミナル)

 今日は神戸で二件の取材がある。しかし一件目は多分キャンセルになるだろうから、最初から予定に入れない。
 問題は午後二時からの二件目の取材だ。ここは大阪か京都のターミナル駅らしい。乗り換えなくてはいけないが、勝手が分からず迷路のような連絡通路をうろうろする。群衆の中から一人の刑事らしい男が現れ、ぼくを捕えようとする。なんとか逃亡できたが、理由も分からないまま、ぼくは追われる身になってしまう。
 駅の出口からいったん外に出て、芝生の上で睡眠をとる。目を覚まして尿意を覚えてきょろきょろする。幸い、近くに石碑のようなものがあり、その裏に身を隠して用を足そうと思う。だが実際に裏に回ってみると、障害物があり、無理だと分かる。そういえばリュックを芝生の上に置いてきてしまった。慌てて戻るが、前方からきたガードマンらしき男がリュックを遺失物として持っていこうとしている。急いで駆け寄り、それは自分のものだと訴える。意外にもあっさりと男はリュックを返してくれた。
 再び駅の構内に戻り、群衆と共に神戸線への連絡通路を左に回ろうとする。その瞬間、前方からまたあの刑事が現れた。万事休す。

カテゴリー: | 5月4日の夢(ターミナル) はコメントを受け付けていません

4月26日の夢(長期休暇明け)

 会社で仕事をしている。デスクの上は書類や資料が山積みだ。原稿を書こうとして、その山を分けて二百字詰めの原稿用紙を探す。いや、原稿用紙に書いていた時代ははるか昔のことだった。今はパソコンで書くのだ。しかし、ぼくのパソコンはどこにあり、どうやって使うものだったか。あまりに長い間、会社を休んでいたので、みんな忘れてしまった。こんなに休んでしまったことを、同僚たちに謝りに行こうと思う。

カテゴリー: | 4月26日の夢(長期休暇明け) はコメントを受け付けていません

4月25日の夢(ゴミだらけの街)

 飛行機でモスクワに向かっている。着いたらロシアのある詩人について講演しなくてはいけないのだが、何も予習をしていない。飛行機の中でたまたま手に取った分厚い本を開けると、ちょうどその詩人についての記述があった。
(ここから別の夢)地方都市に取材に来ている。町中がゴミにあふれており、路地から飛び出してきた車の内部はゴミでいっぱいだ。ぼくは案内の男性に「すごいね、あれ」と、指をさす。男性はそれには応えず、ぼくを狭い路地に案内する。体を斜めにしないと入れないほどの路地の左側に、建物の玄関があるので、引き戸を細く開けて中を覗き込む。中は路地とは対照的に驚くほど広く、きれいな事務所になっている。そこで沢山の社員たちが朝礼をしている。とても伝統のある老舗の会社らしいが、若手の社員たちが元気いっぱい社訓の朗誦などをしている。玄関にはこの会社のシンボルらしい二つの置物が並んでいる。左は蛇で右は牛に見える。しかし抽象的なオブジェだ。「ここがこの町で一番歴史のあるお店なんですね」と案内の男性に話しかけながら、明るい表通りに出る。

カテゴリー: | 4月25日の夢(ゴミだらけの街) はコメントを受け付けていません

4月23日の夢(洞窟の受賞式)

 某新人賞の受賞式に出席する。以前はホテルの宴会場で行われていたが、最近は川が地中から流れ出す出口にある、天然の岩の洞窟が会場だという。洞窟の中には少ない人数がぱらぱらと着席しており、皆老人ばかりだ。洞窟の出口には広々とした川遊びのできる風景が広がっており、沢山の親子連れが遊んでいるのが見える。ぼくはしばらく会場内の席に座っていたが、退屈なスピーチが続いているので、洞窟奥の控室に引っ込む。ふと会場で司会者からぼくの名前を呼ばれた気がして、戻ると、何事もなく退屈なスピーチが続いており、空耳だったようだ。今回受賞した詩はぼくには少しも面白くないし、話すことも考えてこなかった。別にスピーチに指名されなくてもいいやと思う。

カテゴリー: | 4月23日の夢(洞窟の受賞式) はコメントを受け付けていません

4月17日の夢(小さな町の下宿屋で)

 ぼくは小さな町で妻と二人幸せな生活を送っている。日の当たるガラス戸の前の畳に小さなちゃぶ台を置き、そこで身を寄せ合ってご飯を食べるような暮らしだ。
 そこは下宿屋で、朝の玄関は出かける女子学生たちで混みあっている。彼女たちの一人はバンドをやっているらしく、小さなアンプのようなものを抱えている。先に出て行った女子学生の一人が「ねえ。玄関の窓に変な顔が見えるでしょ?」と言うので、玄関にいたぼくたちは一斉に戸口の窓を見上げる。するとそこから、西洋漫画の主人公のような顔が中を覗き込んでいたので、みんなぎょっとする。だがよく見ると、それは隣にできた電器屋か何かの看板に描かれたキャラクターだった。
 そんな賑やかな学生たちが出て行った後、奥の居間で新聞を読む眼鏡をかけた中年の大家の男と、ぼくだけが下宿屋に取り残される。
 夕方、帰宅しようとちんちん電車に乗る。発車待ちの車内にぽつぽつと乗ってくる町の人たちは全員が顔なじみで、ぼくと会釈して挨拶をかわす。中には中年男性の外国人もいる。オレンジ色のパイのようなものを幾つも盛った大きな銀のお盆を持った女子学生の一人がぼくの横に腰かけた。そのはずみに、パイがぼくの足に触れそうになる。どこからか猫の鳴き声が聞こえる。見ると、子猫が乗り込んできて、ミルクを催促している。猫のくせにグレーのパンツをはいている。しかし、みんなお菓子は持っていてもミルクは持っていないので、子猫はお腹を空かしたままだ。

カテゴリー: | 4月17日の夢(小さな町の下宿屋で) はコメントを受け付けていません