2月26日の夢(エキストラ)

 SF映画にエキストラとして出演する依頼があり、集合場所の新宿にバスで向かう。新宿で乗り込んだ撮影隊のバスは車内がそのまま撮影場所になっており、座席の取り払われた中に乗客役のエキストラが大勢立っていて、バスが揺れる度右左にみんなの体も傾く。
 エキストラであっても即興でセリフを言わなくてはならない。カメラの前にぼくと知らない女性が立ち、まず女性がひとこと言う。ぼくはUFO研究家役でセリフを言うという話だったが、何の設定もなしにいきなりカメラが回り出したので、ちょっと戸惑う。だが、久留米であったエピソードを交え、少し長めのセリフをよどみなくアドリブで喋ることができた。けれど、良いとも悪いとも言われることなく、スタッフからお礼としてA4判の封筒を渡されただけだ。セリフが少し長過ぎたので、カットされてしまうだろうか。封筒はなぜか三重になっていて、その中にギャラも入っているのだろうと思うが、確かめる間もなくバスを下ろされてしまう。ひょっとしたら午後の撮影でもぼくを使ってくれるかもしれないと期待していたのに、少しがっかりだ。

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2月21日の夢(列車の中の家)

 ぼくの家は列車の車両の中にある。ぼくは掃除機で列車の床のゴミを吸い取ろうとしているが、すぐにゴミが詰まってしまう。「朝早くからやってるのに!」とぼくは怒って掃除機を放り出す。それを妻とその母が困った様子で見ている。
 ホームへ降りて、別の車両に移る。その車両の椅子には詩人のN氏が一人だけ座っており、座席の足元にはゴミのように資料が押し込まれている。ぼくが「それが必要だ」と言うと、N氏は黙って立ち去る。
 さらに別の車両に移る。それは新幹線のような大型の車両だ。床には一面にほこりや枯れ葉が溜まっており、ぼくはそれを大型掃除機で吸い取ろうとするが、やはり詰まってしまうので、ぼくはまた掃除機を放り出す。
 それなら箒と塵取りの方が役立ちそうだと思い、それを持って線路に降りる。線路は堆い土盛りの上を走っている。盛り土に母親と子供が座っており、その前にはゴミの山と塵取りが置かれている。子供はぼくの持っている塵取りを指さし、「あっ、7番目の塵取りだ! これで終わり!」と叫ぶ。ぼくは「いや、これは列車の中の塵取りだから違うよ」と言い、塵取りを持って引き返す。
 引き返したところはNHKホールのロビー。NHKホールはホールをはさんで大きなロビーと小さなロビーがあり、ぼくの出発したのは大きなロビーなのに、間違えて小さなロビーに戻ってきてしまった。そこでは詩人のN氏(先ほどのN氏とは別人)が携帯で電話をしている。真ん中に開演中のホールがあるので、向こう側のロビーには渡れない。外に出ると川が流れている。ぼくはその浅い川床に棒で夢日記を書くが、流れる水に文字はすぐ消されてしまいそうだ。

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身辺整理

 会社で仕事をしている。一段落したので不要なものを整理する。古い資料やカタログ、貰った雑誌や書籍、古いお菓子、いつ貰ったのかわからないイワシ数匹など、とんでもないものを含め、見つかったゴミをまとめて何度も外のゴミ置き場に捨てに行く。ふと壁の鏡を見て、驚愕する。髪が逆立ち、ベルトが頭に蛇のように巻き付いている。こんなひどい様子なのに、会社の誰も注意してくれなかったのだ。
 席に戻ると、ぼくの机に別の椅子を出して、知らない男が座っているが、ぼくの顔を見てすぐどいてくれる。だが、もう一度ゴミを捨てに行って戻ると、今度はぼくの椅子に座っている。今度もすぐどいてくれるが、ぼくはちょっとムッとする。
 席に落ち着いてから考える。Y社から二つ商品マニュアルの制作を依頼されていたはずだが、ずっと放置したままだ。間に合うのかどうかとても不安だ。
 外に出て、タクシーに乗る。タクシーカードを出そうとするが、財布に入っていた沢山のカードをかき回すが、そのカードだけがどうしても見つからない。

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2月17日の夢(不審な電話)

 会社で仕事をしている。それは以前に勤めていたSクリエイティブであるが、フロアは「く」の字型をして広大で、社員数も遥かに多い。たくさんの電話がかかってきて、社員たちが活発に応答しているが、ぼくは一心不乱に仕事をしていて、電話に出ないでいる。だが、たまたま一本の電話を取ろうと受話器を手にする。「もしもし」と聞こえてきたのは、男の濁った声だ。「Iさんはいる?」と男は言う。Iはこの会社にはいない。S社が四つの会社に分社化したとき、別の会社に移ったからだ。「ここにはいません」と答えると、男は「変だな。その会社はIとMしかいない会社のはずだが」と言う。どうやら酔っ払いか異常者らしいので、機嫌を損ねないよう、慎重に受け答える。「IはSプランニングという会社におりますので、ここにはいません」。すると相手はいきなり「あんた、占いは要らないか?」と言う。「私には占い師の友人がおりますので、結構です」と答えると、「それは男か女か?」と言うので、「男も女もおりますので、要りません」と改めて断る。そうしたやりとりを社員たちがくすくす笑っているのが分かる。上の階から降りてきたデザイン部の社員が、ぼくに校正を渡そうとさっきから背後に立っている。それを前の席にいた社員が「電話中だから後にしなさい」という意味の動作をして追い払う。当のI氏や詩人のO氏も連れ立って現れるが、ぼくは二人を無視して話し続ける。ようやく相手は「そういえば俺は溝の草取りをしなくてはいけなかったんだ」と言い出し、ぼくはほっとして「そうですか。では長時間どうも有り難うございました」と受話器を置く。
 やっと席を立って厨房に行くと、昨日までなかった分別ゴミの置き場ができている。これは便利になったと思い、ぼくは手にしたゴミをそこに捨てる。

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2月13日の夢(町内会)

 町内会の寄り合いに招集された。学校の運動場のような、地面がむきだしのだだっぴろい場所の真ん中に、バックネットのような柵がまっすぐ続いていて、右と左に空間を区切っている。ぼくは最初、前からの習慣通り柵の左側に行こうとするが、ほかの人たちが皆右側に行くので、それに従う。
 着いたところは木造の狭くて暗い小屋の中、左側に女性たち、右側に男性たちが木の床に腰をおろしている。ぼくも右側の末席につらなる。男性たちの中では一番入り口に近く、真ん中寄りでもある。中央に立ったリーダー格の男性が発言する。「この辺にはさっき電気が点いていたようなパソコンを扱う店はない。けれど、ここをもう少し先に行くと……」。どうやらこれからぼくたちが扱わなくてはいけないパソコンの販売店の話らしい。

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2月6日の夢(詩人賞の開票)

 会社の外廊下のようなところで、立って仕事している。すぐそばの入り口寄りに、詩人のA氏が立っていて、封筒をごそごそしながら「開票できましたよ」と言う。そういえば今日は詩人票のノミネート投票の開票日だった。どうも封筒の中に投票された用紙が入っているらしい。そこへ、外から帰ってきた同僚のI氏が「外でN氏がお待ちですよ」と声をかけてくる。ぼくの背後には木の柱があり、I氏はその向こうに立って、ぼくから姿が見え隠れしている。ぼくはI氏に「Iさん、今時間ある?」と尋ね、「開票ができたので、確認してほしいんだけど」と言う。しかし、I氏は平然とした顔で、「ええ、開票はできましたよ」と言って、はぐらかすばかりだ。あいかわらず慇懃無礼ないやなやつだ。ぼくは自分で確認しようと、票の入った封筒を手に取る。封筒は大きな袋のようになっていて、中にはぼくの私物が沢山入っている。ぼくはそれらを一つ一つ取り出して、中に票が残っていないか調べるが、あまりに私物が多すぎるので、いい加減なところでやめてしまい、「どうやらもう票はないみたいだね」と言う。
 N氏に会おうと外に出る。人々の行き交う街角に、髭を生やして、ぼくの膝ぐらいの背丈しかない男がいる。N氏ってあんな男だったっけ?と、ぼくはちょっとうろたえる。しかし、その男はまさにN氏だったらしく、急いで近寄ってきてぼくに挨拶をするので、ぼくは腰をかがめ、子供に話しかけるときのように目線を合わせて、会話をする。
 女性がぼくを呼ぶ声がするので、そばにある別のオフィスに入っていく。しかし、スタッフたちは多忙らしく、ほかの来客の応接におおわらわなので、ぼくは立ったまま自分の順番が来るのを待ち続ける。

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2月3日の夢(業界誌の記者の夢)

 ある企業から新商品発表会の案内が届いた。ある建物の二階で用を済ませた後、取材に行こうと階下に降りる。案内書を見ると、発表会6時から始まるらしい。もう15分もない。タクシーで行こうと地図を広げると、会場は東京ではなく、山中湖畔だという。それでは到底間に合わない。諦めざるをえないが、出席しないと記者をクビになるかな。いや、新商品の内容は同封されたニュースリリースに書かれているから、それに基づいて記事を書けば十分ではないか。
 とりあえず失敗を取り繕うため、ぼくは赤と黄色のチューリップの花束と、紫色のズボンを買ってマンションに入っていく。花束とズボンをどこかの部屋に隠そうとするが、隠し場所が見つからない。おまけにズボンを見ると、お尻の部分がぼろぼろである。ちょうどシェパードの犬が歩いてきたので、その犬の背中にズボンをかけてやる。だが、マンションの出口に一緒に来たときには既に犬の背中からズボンはない。
 マンションの敷地の真ん中で、男たちがマイクで式典をやっている。どこかの劇団が地鎮祭のようなことをしているらしいが、マイクを握らせられているのは、新入りの劇団員の男である。まだセリフがおぼつかなく、こんな大役をやらせられているのはいじめらしい。
 会社に戻ると、社員たちが下駄箱のような木製ロッカーの前で騒いでいる。誰かがロッカーの鍵をなくして、中のものが取り出せなくなったのだという。木製なんだから、扉を壊して取り出せばよいのではないかと思う。

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2月2日の夢(待合室のテーブルの穴)

 妻といっしょにクリニックに行く。待合室には黒いテーブルがあり、そこに診察券の入ったカードケースを立てた状態で置く。ところが、テーブルには横長の長方形の穴が切ってあり、その中にケースの中のカードの大半が落ちてしまう(数枚は落ちずに、テーブルの上に残った)。慌てて指を穴に差し込み、苦労して落ちたカードを拾い上げる。

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1月31日の夢(プライバシーという上着)

 帰宅して窓際の椅子の背にプライバシーの黒い上着をかける。しかしこんなところに置いたのでは、妻に叱られそうなので、デスクの「プライバシー」ボタンを押す。たちまちプライバシーの上着は見えないところに収納された。

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1月26日の夢(広告代理店)

 広大なフロアの広告代理店に勤めている。お昼の弁当を開いて食べようとすると、割り箸の片方が折れて短くなってしまい、使えない。困っていると経理課の女性が来て、箸を貸してくれた。食べ終わって返却に行く途中、ゴミ箱があったので、弁当のからを捨てるのと一緒に、うっかり箸も捨ててしまった。「あっ、捨てちゃった!」という女性の声に慌てて箸を拾い直す。洗面台を探して水洗いした上で、経理課に返しに行く。経理課では一つの長いデスクに三人の女性が座っているが、顔を知らないため、誰が箸を貸してくれたのか分からず、真ん中の女性に礼を言って返却する。
 席に戻ると、ぼくの椅子にデザイナーのSくんが座っている。「一色さんの引き出しに入っていた小さなカードの写真をクライアントが気に入ったというので、使わせてほしい」という。ぼくは引き出しを開けて、そのカードを確かめながら、「これは近くの事務所にいるカメラマンの作品だから、著作権が問題になる。すぐそばにいる人だから、こっそり使うわけにいかないよ」と答える。Sくんにカメラマンの事務所を教えようと席を立ったところで、「〇〇〇〇です」と誰かに挨拶している女性の声がする。〇〇というのは、何十年も前に海外ツアーで一緒だった人の名前だ。てっきりその人だと思い込んだぼくは「〇〇さん!」と呼びかけて走り寄るが、その女性は見上げるほどに背が高く、彫りの深い顔立ちで一目で別人と分かる。しかし、名前を呼んでしまったので後にはひけず、とりあえず挨拶しようとするが、名刺がポケットにない。急いで席に取りに戻り、近道をしようと一回階段を降りる。外は雨がしとしと降っている。そこから一階のフロアに入りなおして、反対側を目指すが、そこはマーケットらしく、出口に鎖が張られてガードマンもいるので、なかなか外に出られない。ようやく外に出ると、快晴である。二階への外階段を昇ると、さっきの〇〇という女性が「まだ待っていてくれたんですね」と、遠くから呼びかけてくる。ようやく彼女のそばに行き、持ってきた名刺を差し出すと、名刺は真ん中から引き裂かれている。しかたなくぼくはそれをつなぎ合わせながら「一色です」と挨拶する。

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