11月30日の夢(墓の中のタクシー)

 小高い丘の頂上が四角く石の壁で区切られている中に、動けなくなった車が一台。どうやらここは沖縄のお墓らしい。車に乗っているのはぼくと妻。
 ぼくは助けを求めるために車外に出る。タクシーと石壁の間はとても狭い。車を回り込んで壁の隙間から外へ出るつもりだったが、なぜか壁の中を一周してしまう。そこへタクシーの運転手が戻ってきて、運転席に座った。ぼくはようやく壁の隙間から外に出る。
 そこは建物の中なのだが、通路の両側にぎっしりと商店や事務所が並んでいる。ぼくは途中でトイレに入って大便をしていたようなのだが、なぜかズボンを下ろし、お尻をトイレットペーパーで隠した状態で、通路に出てきてしまった。賑やかな商店街では女性の売り子たちがお客を呼び込んでいる。ぼくは彼らに見つからないよう、こそこそと通路を進み、留守であるらしい部屋に勝手に入り込む。人のいないのを幸い、そこで用を足すのを再開しようとしたところへ、ちょうど部屋の主の中年男性が帰ってきた。窓からぼくを見つけた男性は、窓ガラスを一枚外して、そこに頭を突っ込んで中に入ろうとする。ぼくは床に這いつくばり、男性は上から体を押し込もうとしつつ、二人はにらみ合う。男性に殴られるかなと思った瞬間、ぼくは再びタクシーの座席にいた。どうやらぼくのパンチが先に男性に当たり、ノックアウトしたらしい。ぼくはタクシーの隣座席にいるその男性にできたばかりの詩集を渡し、「おかげでこの本が出来上がりました」と礼を言う。男性は「まあ、これでよかったのかな」と苦笑いして詩集を受け取る。

カテゴリー: | 11月30日の夢(墓の中のタクシー) はコメントを受け付けていません

11月28日の夢(色のない花など)

 部屋の中に母と祖母がいる。今日は来客が一人あるはず。花を届けに花屋も来る予定。チャイムが鳴った。母が玄関に向かう。ぼくは立ったまま半ズボンをはこうとしてよろめきながら、「誰が来たの? 誰が来たの?」と母に叫ぶ。来たのは花屋らしい。母が大きな植木鉢に植えられた花を持って戻ってきた。カラーの夢なのに、植木鉢も花も真っ黒な影法師になっていて、色がない。
 Y社の仕事を三件請け負っている。浜松の同社に行くと、担当者らしい眼鏡をかけた男性がついてこいと促す。連れられていったのは野外グラウンドのようなところで、人々がレジェンドらしい車いすの老人を熱狂的に歓迎している。
 女性作家の家にインタビューに行く。終わってギャラの振込先を尋ねる。ノートに書こうとして、この作家へのインタビューは二度目だったことに気づき、「あっ、前にもお聞きしましたよね」と言うと、「いえ、初めてです」と否定される。
 海岸にいる。潮が寄せてきている。砂浜で粘土でつくられた象のようなものが暴れている。象の行動を阻止しようと、そこにいた人全員でスクラムを組み、デモ隊のように一斉に象に向けて押し寄せる。象の姿は見えないが、ぼくらは波打ち際に辿り着いた。どうやら象を制圧できたらしい。

カテゴリー: | 11月28日の夢(色のない花など) はコメントを受け付けていません

11月12日の夢(B級映画)

 B級映画の撮影をしている。大阪ミナミの盛り場シーンから、次は太平洋の南国の島にロケに行く。敵が砲撃をしてくるシーンだ。どこまでも青い空と海。海岸は一面の白い砂におおわれている。海には白い雪をかぶったとんがった島が見えている。こんな南国で雪?と思っていると、島は見る間に近付いてきて船に変わり、人々が降りてくる。男性の声が「マウイがこの島を侵略したとき、白い砂を持ち込んだのだが、それにしては多すぎる。誰が何の目的でこんなに白い砂を海岸にまいたんだろう?」と言う。白い砂は天然のものではなかったのだと、びっくりする。
 「飛行艇を持ってこい」という叫びが上がる。敵襲だ。ぼくは逃げる人々と反対に、急いで二階への階段を駆け上がる。二階には赤いロープが張られていて、その向こうが今到着した飛行機の客席になっている。男女の肩に大きな飛行艇の模型が乗っている。ぼくと彼らと三人で飛行艇を持って、飛び交う銃弾の中、階段を駆け下りる。俳優たちは皆前回の映画と同じ顔触れだ。予算が少ないから使い回しするしかない。
 一階へ降りたところで、誰かが「お腹がすいた」と言う。ぼくは「この建物の隣に食堂があるから案内するよ」と言う。妻は「えっ、そんなところに食堂があるの?」と驚く。ぼくは「うん、あるんだよ」と自信に満ちた態度で皆を誘導していく。

カテゴリー: | 11月12日の夢(B級映画) はコメントを受け付けていません

11月10日の夢(座右の書)

 夫婦で座右の書を一冊ずつ持ち歩いている。それは二冊とも同じ本で、「革命の書」だと思っている。だが、後ろから女性に「それはそっくりだけれど、ちょっと違う本ですよ」と声をかけられる。驚いてテーブルに座り、二冊の本の表紙を開けてみると、一冊は「仲良しさんの本」というタイトルだった。もう一冊は覚えていない。

カテゴリー: | 11月10日の夢(座右の書) はコメントを受け付けていません

11月6日の夢(退職する日)

 今日はぼくが会社を定年退職する日だ。にもかかわらず、今日も定時を過ぎて仕事が終わらない。でも会社と同じ建物の一角に裁判所があり、ぼくはそこで裁判員裁判に出なければならない。
 裁判には裁判官のほか三名の裁判員が出席しており、そのうち一名は中年の婦人だ。ぼくひとりだけが夕食がまだだったので、片手にチャーハンの皿、片手におかずの皿を持っている。いったん休廷になったので、外へ出てみると、隣は貧しい人々のための給食室で、親子がつめかけて食事している。ぼくのチャーハンもこの部屋で貰ったのだろう。裁判員の婦人もいつのまにか給食室にやってきている。
 裁判所の入り口は横開きのドアだ。その前にぼくが正座して覗き込むと、裁判官が「被告の言うことはでたらめだ! まことしやかなことを言うくせに、自分の正体をばらすようなことを言う」と、吐き捨てるように叫ぶ。ぼくは被告の言うことを本当だと思いかけていたので、ちょっとがっかりする。塀の外を被告が一匹の犬を連れて、トボトボと歩いていく影絵のような後姿が見える。
 さて、ぼくは今日で会社勤めを終わったが、裁判は明日からも続く。それをまだ妻に言ってなかったので、帰宅したら一番に言わなければいけないなと思う。

カテゴリー: | 11月6日の夢(退職する日) はコメントを受け付けていません

11月4日の夢(夢の常態学)

夢の中に美しいドレスを着た妻が立っていて、「夢には平穏無事な夢と苛酷な現実の夢とがあって、平穏な夢は常態学の夢というのよ。でも私たちは苛酷な夢の方を観なくてはいけないの」と言う。その苛酷な夢の中にいる妻はドレスが次第にぼろぼろになっていくが、常態学の夢の中では妻もドレスも美しいままだ。

カテゴリー: | 11月4日の夢(夢の常態学) はコメントを受け付けていません

10月25日の夢(視力検査)

 妻がぼくに視力検査を受けるよう勧める。ぼくの前に白い視力検査表のボードがあるが、検査用の記号は見えない。ぼくは黒いマスクをしていて、妻に「受けるつもりだよ。でも、このマスクを取ってからね」と言う。妻は「わかった」と答える。

カテゴリー: | 10月25日の夢(視力検査) はコメントを受け付けていません

10月23日の夢(集会)

 会社からの帰り道、誰かがぼくに一枚の紙きれをくれる。それを見て、ぼくはもう会社に行くことも家に帰ることもしなくていいことが分かった。ぼくは集会への出席を促されているのだ。ちょうどぼくの前を同じ紙を渡された親子連れが歩いていく。二人の後を追ってバスに乗り、さらに山道を歩いて、地図にあった会場にたどりついた。
 そこは自然の中に遺された古代のコロシアムのような場所。石造りの円形の場所に、沢山の人々が集まっている。一目見て彼らが「選ばれた人々」であることが分かる。子供も大人もいる。会場に着いた順番に、大きな石の椅子に荷物を置いていく。ぼくもそうしてからしばらく席を離れ、コロシアムの反対側へ行き、また戻るとぼくの席がない。新しくやってきた少女がぼくの席に勝手に座っているのだ。会場に「席を詰めてください」というアナウンスが流れる。人々が動き始め、それでようやくぼくの座る席も確保できた。これから体操のようなことを全員でやるらしい。ぼくのような運動音痴でもみんなについていけるだろうかと心配になる。

カテゴリー: | 10月23日の夢(集会) はコメントを受け付けていません

10月22日の夢(台風の朝)

 下宿で目が覚めると、天気予報の通り台風が来ている。同室の50代の男性サラリーマンは朝の支度の真っ最中だが、ぼくには背を向けていて、こちらと目を合わせようとはしない。台風だから一階の大家の部屋に降りて、一緒に過ごそうかとも思うが、それも大げさだと思い直す。とりあえず窓の雨戸を閉めようとする。壁の上半分だけの窓には戸袋が付いている。昔ながらの木製の雨戸に加えて、今風の花柄の薄めの雨戸もある。どちらを閉めようかと迷うが、外を見ると既に雨もやみ、雲も切れかけている。嵐は通り過ぎたようだ。これなら雨戸を閉める必要もなさそうだ。
 出勤のため外に出る。中年の女性二人が前を歩いていて、二つある私鉄の駅のうちどちらで出かけようかと話し合っている。ぼく自身もどちらを選ぶべきかと迷う。

カテゴリー: | 10月22日の夢(台風の朝) はコメントを受け付けていません

10月17日の夢(温泉土産はコルク栓)

 ぼくの泊まった東北地方の温泉宿は、小汚いビルである。上階の部屋からエレベーターで一階に降りてきたら、帰りのエレベーターの位置が分からなくなった。カーテンで囲まれた一角があったので、ここだと思いカーテンをさっと引き開けると、そこには変哲もない応接セットが置かれているだけ。一階は沢山の宿泊客であふれ、彼らはぎゅう詰めになりながら、時計回りに回転している。壁際には土産物がたくさん並べられ、売っている一番人気の温泉土産は、コルクでできた浴槽の栓である。この温泉で実際に使われていたものを販売しているのだという。

カテゴリー: | 10月17日の夢(温泉土産はコルク栓) はコメントを受け付けていません