3月11日の夢(縁側から吹き込む風)

 向こうから手前へとまっすぐな道路がぼくの足元へ続いており、そこを中年男性や若い母親たちが続々と通勤してくる。ぼくのいるのは新しいベンチャー企業のオフィスで、ぼくはそこの社員だ。今日、新入社員として女性が二人入社してきた。一人はもこもこした服を着た女性だが、その服を脱ぐと痩せている。

 オフィスは名古屋にあったぼくの実家になっている。縁側からどっと強い風が吹き込んできて、室内のいろいろなものがめちゃくちゃになる。各部屋に布団が一式ずつ敷かれていて、そこに社員が泊まるらしい。彼らが就寝する前に、ぼくの必要なものはあらかじめ部屋から運び出しておかねばならないなと思う。

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3月1日の夢(大腸のようなバス)

 クラスの女子たちが雨の日、ぼくを家に招待してくれた。訪問者にはレインシューズを用意してくれたのだが、玄関で脱いだ自分の靴を見ると、緑色のかわいい模様が描かれていて、とても男の子の履物に見えない。でも周囲の靴と比べると、ぼくのだけひときわ大きい。手を尽くしてくれたものの、男子用の靴を用意することができなかったのだろう。部屋に上がるが、女子たちが現れないので外に出る。

 四角い田圃を囲んで女子たちが畝に座っており、食事の支度がされている。右側に女子とおとなの女性とが並んで座り、人生相談をしている様子。それを見てぼくは不愉快になり、「いつもこんなところにぼくを案内して、ぼくを人生相談に引き込もうとするんだろう」と詰る。

 まだ少年のОくん(ぼくに文芸の面白さを教えてくれた歌人)がぼくを案内して、小さなバスに乗せてくれる。しかし手に持った小さな白い紙片を示し、「ゴミを捨ててくる」とバスから降りる。彼を外に残したままバスは発車してしまった。バスの壁は不透明で、外は見えないが、バタバタとОくんが走って追いかけてくる気配がする。運転手が「こっちこっち」とマイクで叫んでいる。バスはさっきまで小型で、乗客なんていなかったはずなのに、今は大型バスになり、高齢者の乗客が何人も乗っている。しかしバスというより、そこは大腸の中のようだ。白いひだひだの壁が曲がりくねっており、ぼくの席からは運転席の方を見通すことができない。

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2月27日の夢(リュックを忘れる)

 もう年末が間近だ。夜、仕事を終わり、時計を見ると10時近い。そろそろ退社しようとトイレに行く。便器の中にトイレットペーパーがいっぱい詰まっている。自分がやったと思われるのは心外なので、人に見られないうちに慌ててそこを飛び出す。しかしトイレの前にスリッパとリュックを置き忘れてしまった。どきどきしながら取りに戻る。

 オフィスに帰ると、亡くなったK社長以下、社員たちが何事か会議をしている。時節柄忘年会の打ち合わせと思い、ぼくも何げなく参加する。もう一人後から加わった女性社員に「何の打ち合わせ?」と尋ねると、彼女も「さあ?」と言って、要領を得ない様子。

 どうもお呼びではないようなのだ、そそくさと退出するが、またリュックを忘れたので取りに戻る。外へ出ると雨が降っている。もう11時過ぎだ。こんな時間から家に帰れるだろうかと不安になる。

 

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2月26日の夢(メアリーというお店)

 寝室を覗くと、ベッドの上にぼーっと立ち尽くす死んだ父親の姿がある。さっき見たときはなかったのに。

 自宅の前にお店が三軒ある。妻はそこで買い物をすると言うが、二軒でしか買い物できない気がする。一軒の店の名前を「メアリー……」と紙に書く。「ここはダイソーだよね」と、ぼくは妻に確認する。

 妻が出勤したので、ひとりで雨の街に出る。履いている黄色のズック靴はびりびりに破れて、ほとんど足に引っかかっているだけだ。しかし新しい靴を買うお金の手持ちはない。家に帰れば立派な黒の革靴があるのだからまあいいかと思う。

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2月25日の夢(アナウンサー)

 ぼくはアナウンサーである。新人の女性アナが入局してきたので、その指導をすることになった。大きなベッド用マットを洗濯しようとする彼女に「それは用務員のおじさんにやってもらえるよ」と声をかける。

 テーブルの上に何冊も台本を並べ、いかにも仕事をしているふうを装いながら、ぼくはランチを一人で食べる。

 同僚の男性アナが大きな黒いモニターで「カバが何かをするのを撮影に行くミッション」を確認するのを見ている。これはみんな過去の話だと思っていたが、実は現在の話だった。

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2月22日の夢(病院にて)

 急いで病院へ駆け込む。病院は緑豊かな場所にあり、屋外に椅子を出して診察が行われている。白衣の医師は芸人のОだ。少し離れてナースが二人着席している。いずれもベテランらしい。

 ぼくは白い薬袋を二つ手にしており、そのうち一つについて「これは早く治すための薬ですよね」と医師に尋ねる。それは正しいらしい。だがもう一つについてはぼくの考えていた薬と違うようだ。医師はナースに向かい「あれ、あれはもう調べがついたのか? そうだったら教えてよね」と言い、「ああ、俺はもう分からなくなっちゃったよ」と頭を抱える。

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2月18日の夢(幼稚園の保護者会)

 幼稚園で何か問題が起きたらしく、保護者会に行く。出席者の中でぼく一人だけが老人である。受付で書類と共に黒いピストルを一丁ずつ渡される。殺傷能力はないという。

 会場の部屋はモダンに改装されており、壁や床をもぞもぞ動物や虫たちが這いまわるマッピング映像が投影されている。子供たちには虫の映像が気持ち悪いのではないかと心配だ。反対側に大きな窓があり、とても美しい風景が見える。だがそれはいきなり消えて、白い壁になる。窓と見えたのもマッピングされた映像だったのだ。こんな高価なシステムがなぜ幼稚園に必要なのか、疑問に思う。既に会議が始まっているが、会場が奇妙な形にねじ曲がっていて、ぼくの席からは司会者のいるステージが見通せない。

 いったん外へ出て、別の集会室に移る。奥の一段床のせりあがった席に、一人の荒くれ男といっしょに腰かける。そういえばピストルをどこかへ忘れてきた。そのピストルを誰かが使って殺傷事件を起こし、ぼくが忘れたせいだと罪を追及される記事が、ぼくの顔写真と共に夕刊に載るのを想像して、不安になる。探し回ってふと気がつくと、ぼくの持っていたナイロン袋の中にちゃんとピストルは入っていた。ほっとして集会室へ戻る。

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2月16日の夢(芸人たち)

 広間に布団を敷いて寝ている。ぼくのほかに有名な芸人が一人寝ている。いったん部屋を退出し、戻ると芸人が二人に増えている。妻にそのことを自慢したいが、電話番号が分からなくなる。

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2月14日の夢(動物園)

 動物園で動物たちがひどい扱いを受けているというので、取材に行く。プールの中でカメラマンが水中カメラを構える。助手がプールの中の昆布を棒で叩くと、昆布は空中をマントのように翻り、カメラマンの頭にすっぽりとかぶさる。

 山道で大きな蛇が通行人に襲いかかる。その後ろにいたぼくにも飛び掛かってきた。それを別の人が棒で叩き殺してくれる。ぼくはそれを撮影しようとするが、カメラのストロボが電池切れで写せない。

 某社のオフィスの前に立つ。昔よく仕事で訪れたオーディオ事業部のドアだが、見るかげもなく汚れて打ち捨てられた感じだ。ちょうど人が出てきたので「あの、ここはステレオの事業部ですか?」と尋ねる。相手は「そう。吉村くん?」と問い返す。ぼくが吉村という担当者を訪ねてきたと思ったらしい。慌てて「いえ、違うんですが」と答える。

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1月28日の夢(貝殻殺人事件)

 学校のような建物にいるが、ここはぼくの勤めている会社だ。たくさんの人が働いている。ここでたった今、貝殻を使った殺人事件が起きた。ぼくは警察と協力して捜査を進める。カメラマンのUに証拠品の貝殻の撮影を依頼する。

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