「雨の唄」

雨の季節には「雨の唄」を聞こうと思う。「雨の唄」と言っても、人それぞれだろうが、私は多田武彦作曲の合唱曲「雨」に思い出を持つ。
中学に入った息子は音楽部に入り、初めての定期演奏会でこれを歌った。思春期に差しかかろうとしていた息子が、沢山のお兄さん達に混じって、一生懸命歌っている姿に、あ—もう安心だ、と思った。何が安心か、よく分からないままに、、、
この曲は多田武彦が複数の詩に作曲した無伴奏の男性合唱曲で、6曲で構成される。今は、ありがたいことに、 you tube で聞くことができる。
多田武彦 作曲  「雨」
第1曲 「雨の来る前」 作詞 伊藤 整
   http://www.youtube.com/watch?v=txdl93UNkWI&feature=related
第2曲 「武蔵野の雨」 作詞 大木淳夫
   http://www.youtube.com/watch?v=Xtfko_AoDys&feature=related
第3曲 「雨の日の遊動円木」 作詞 大木淳夫
   http://www.youtube.com/watch?v=Bm-PKOdgATU&feature=related
第4曲(初演版) 「十一月にふる雨」 作詞 堀口大学
   http://www.youtube.com/watch?v=mZnUa_FJZ3k&feature=related
第5曲 「雨の日に見る」 作詞 大木淳夫
   http://www.youtube.com/watch?v=iHSop-OfkGw&feature=related
第6曲 「雨」 作詞 八木重吉
   http://www.youtube.com/watch?v=DLWdz4VR-10&feature=related
第1曲の「ざーっとやってこいよ、夏の雨」というスカッとした導入も見事だし、第4曲「11月はうら悲し」という男性ならではの低音の響きや、第5曲「ざ・ぼんが、、、」という、香りが漂ってくるような音の連なりも魅力的だ。第3曲「遊動円木」とは、「丸太ブランコ」のようなものか、、、古風で、いい言葉だ。
息子は、今はもう私の手を離れた。私は第6曲「雨」が、しみじみと心に染みる年になって、この季節には時々聞いている。
息子よ、あの一筋の気持を覚えているか、、、息子よ、、、

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