line-line (線のデッサン) について

長篇詩誌「ヒポカンパス」に同人誌「hotel」が協賛して下さって、解散記念朗読会を開くことになった。
Wa! hotel ヒポカンパス
7/21(土)2:00pm
会場:スペースWa!
( 目黒区駒場3-11-14 駒場友和ビル4F Tel. 03-3465-7748)
                                     
                          会費:¥1000
岡島弘子さんから「ヒポカンパス側は、その他のメンバーが皆出演するから、、」と、依頼され、僭越にも、司会をお手伝いさせていただく。 そして不慣れな司会だけでは、あまりに身の置きどころがないので、長い間封印していた「線のデッサン」を展示させていただくことにした。
白衣のシリーズに移る前の10年間、私は鉛筆だけで作品を描いていた。 細かい仕事で、1点を4〜5ヶ月かけて描く。 8H〜EE に至る鉛筆のやわらかなトーンも、鉛筆を削る時の木の香りも、「もの」と向かい合うゆっくりとした時間も、皆好きだった。 そしてそれと平行して、時々「線のデッサン」を続けていた。 「音」、主にジャズのライヴを聞きながら、ほんの2〜3秒、線を走らせる、その行為を「線のデッサン」と名づけていたのだ。 毎日少しづつ、カタツムリのように進んでいく仕事をしていると、そういう瞬間的な行為はたまらなく解放感があって、あちこちのライヴに足を運び、飽きずにやっていた。 10年間でデッサン帳は150册を越え、古いものは一部を除き、随分処分した。
しかし、私はそれを一度も自分の作品として発表できなかった。 あまりに感覚的な気がしたからだ。「言葉」は、一部の擬音語などの例外はあるにせよ、原則として「意味」を持ち、ある「理性」を伴うものだ。 まあ、、、その原則にこそ、私たちは挑戦しているのだ、と詩人はおっしゃるかもしれない。 しかし、私の線は最初から「意味」や「理性」と無縁、、、ブレーキなし、アクセルのみで走る。  それでいいのか、と自分に問い、答えは出なかった。
スペースWa! は、行ってみると、四階にあり、三方が窓、つまり空に向かって開かれた空間だった。ほとんど瞬間的に引かれた線の向こうに、動かぬ空や街が重なる時、意外な効果が出れば幸せだ。
朗読の共通テーマは「私の幼年時代」。 私にとって「線のデッサン」は、まさに「幼年時代」に繋がる感覚の解放だ。 詩人の方たちにとっての「幼年時代」はどのようなものなのか、今から楽しみにしている。 何だか「時間」を感じる午後になりそうだ。 
よろしければ、ぜひ、ご一緒に。

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