毎年12月になると、私は翌年のカレンダーを買いに街に出る。カレンダーは、頂いたりすることもあるのだが、余程気にいったものでない限り、自分で選びにいく。各月ごとに予定の書き込みができる、余白のあるもの、月の満ち欠けの載っているもの、一年全体を見渡せる大きなもの、机の上に置くかわいいもの、毎年、選ぶものはほぼ決まっている。
いつの間にか生活が単純になってしまった私にも、新年は訪れ、仕切り直しの機会が与えられる。ありがたいことだ。来年はどんな一年になるだろう。今年は、仮住まいに暮らしたせいか、忙しく、やっとのことで乗り切った。来年はまた引越しだなあ、、と、緊張感がある。
来年は1月、待っていたウイリアム・ケントリッジが、いよいよ東京に来る。彼は、あるジャンルに当てはめられない作家、「ケントリッジ」というジャンルを創った作家だ。作家というのは、本来、そういうものなのだ。そして2月、「長谷川等伯・没後四百年展」もある。「『想い」を外ではなく、あくまでも内に向かわせる、わたしたちの『強み』」を、もう一度思い出さなければ、、、「外に溢れ出す『想い』」を磨いてきた人たち」はスゴイから。
12月末、私は新しいカレンダーを、アトリエに、食堂に、そして私と社会を繋ぐ狭い通路に、かけるだろう。そこで紡がれる小さな物語が、通路を通って、大きな物語に繋がっていくと信じて。
新しい年の新しい時間、それを手に入れようと、私は師走の街に出ていく。
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