虹
虹を あなたにあげたいんだ
たくさんの色をしていて
空に続く橋のようで
きっと ふたりで渡れば
夢に辿り着くはず
きみの病気も
あの掛け橋の向こう側には
きっとないはず
だから
走って走って
雨がやむまえにって
太陽が沈むまえにって
祈りながら走ったのに
ぼくの手には
転んだ時の泥しか
つかんでなかった
それなのに
きみは
私が見たかったのは
虹じゃなくて
泥だらけのあなたなの
なんて笑うもんだから
ぼくは泣けてしまって
泣けてしまって
西日がさす
病室で
ぼくの顔に
うっすらと
虹ができてしまうんだ

tukiyomi について

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