花宵道中

花宵道中
夜の宴 舞うよ 花弁 桜は満開
されど
青紫の痣の悲しみは
風花に染められ
春告鳥の声を後ろに
春は未だ来たらず
虚構をばかりを
指で触れれば
あなたの情熱が涙を零す
春とうからじ
その呼び声は今宵の雨に打たれ
凍てつく芯に杭を刺し
滑る筆が静寂の帳に
渇愛から慈愛へ変貌する
私は画布の蝶の羽ばたきに
未来に準え
冬の隙間から延びる採光に
薄紅色のリボンで口を紡ぐ
時立ち行けば
花は橘と飽きは聞く
尋ね歩む狂女の花宵道中
華楊の屏風に泣き笑い
花籠に描かれた華は枯れても闇に詠えば 恋 恋 恋

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