桜想

「桜想」
私は着飾る
シルクの黒いドレスと
鎖骨に煌めくガーネット
そして貴方の視線で
私は顕現する
私は慕う
この一輪の桜草を
くださった貴方に
髪を乱し
花の香に酔う
夢 夢に在らず
花 存らえど
恋 心通わず
ただ
桜草一輪に
貴方を重ね
一夜に身を委ねても
お慕い申しております
物想え
薄紅色の小さな星ぼし
私の高鳴る鼓動のままに
夏の空を駆け抜けた
淡い流星
桜星
されど消えゆく私の初恋
届かぬ雫を珠にして
貫いたのは貴方御自身
花びらの降る夜
静寂にため息
桜草を抱いて
恋に沈む

tukiyomi について

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