ケイタイ

ケイタイ
暗闇に 携帯の灯り チカチカと 目を刺す孤独 冷える指先
人恋し 携帯叩く 親指の 先から先へ あなたは消えて
教えない あなたにだけは 教えない メルアド メル友 今の顔さえ
会いたくて 無言電話は 真夜中に かけては消して かけては消して
声すらも 昔のままの 君なのに 今は遠くの マネキンの口
お揃いの ストラップをした 王冠と十字架が隔てた 貴族と愚民
携帯の灯りだけのみ あなたとの 距離を縮める 胸のともしび
充電器 熱くなるほど 君慕う 火傷をしても 寿命が消えても
過去の傷 見せるくらいの恋をして あなたは捨てた 赤い携帯

tukiyomi について

著作権は為平澪に帰属しています。 無断転写等、お断ります。
カテゴリー: 06_短歌 パーマリンク

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です