孤独

孤独
宇宙が完全に時を止めたなら
人は空に憧れたりはしない
毎日が晴天ならば
一日で固形化した
油絵の具のような空に
群青色を塗りたくって
「よる」を作ってみたり
そこに青白い円をおいて
「つき」と呼んでみたり
そんな夢もみないだろう
重ね塗りするごとに
深まってゆく
キャンバスの果てしなさは
完成することのない
肥大する宇宙
誰かが言っていたっけ
人は少し孤独なほうが
宇宙に近づけるって
私は
宇宙というキャンバスに
神様がポツリと呟いて
落としていった
小さな赤い太陽
孤独は宇宙に
赤く咲く炎
私を燃やし続けて
尚 熱く
輝く

tukiyomi について

著作権は為平澪に帰属しています。 無断転写等、お断ります。
カテゴリー: 02_詩 パーマリンク

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です