煙草と栞  2

煙草と栞 2
本を繰るくちづけシーンに栞ごとあなたを閉じる瞼が熱い
イニシャルを同じリングに刻んでは独りで嵌める親指小指
ディオールのハーレンハイトの香りから思い出だけがくゆりと煙る
悪戯にはしゃいだ日々を引き出して写真の人はさようならの君
好きですと真っ正面から言えたなら中毒になるわ煙草と君に
指が好き長い煙草を挟むよう私に触れた遠い指先
愛読者あなたが好む恋愛詩そこに私の居場所はあるの
秘蔵書に挟んだ栞押し花に色ありますか薫っていますか
あなたの目いつも虚空を見つめてるそこから私はみえていますか
秋晴れに紅葉が紅くなる前に栞に挟んだ新緑の恋

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