積み木崩し
さようならと
手を振るときは片手で別れ
深め合う時は両手を添えて
握手
固くつなぎ合わせた
それぞれの手を
重ね合わせて
塔ができたのに
さようならとひとりが
片手を振れば
積み上げられた
みんなのジェンガ
一ピース欠けて
音をたてて崩れ果てた
余りにも高く積み上げて
重ねていたのに
「さよなら」
の音が轟然と残響して
今までの砦は
片手で振られて
私は重さに気が触れた
「さようなら」
あぁ、そう言って
一抜けたのは
誰だっけ
重ね合わせられた手の数々を
十露盤ばかりで
はじいては
計算高く一引いたのは
ずる賢いあの人たち
ではなく
もしかしたら
私
「さようなら」と
手も振らず
雨に降られた夜遅く
「サヨナラ」と
ぽたぽた
デジタルな文字で
黒く塗りつぶした
気が触れたのは
どのピース
崩れ落ちた積み木は
だれが拾い上げるの
知らない
知らない
知りたくない
真っ白な文字は
もうかけないし
ただ
ひび割れた積み木が
転がっているのを
私
拾えないまま
ずっと見つめている
さようならと
手を振るときは片手で別れ
深め合う時は両手を添えて
握手
固くつなぎ合わせた
それぞれの手を
重ね合わせて
塔ができたのに
さようならとひとりが
片手を振れば
積み上げられた
みんなのジェンガ
一ピース欠けて
音をたてて崩れ果てた
余りにも高く積み上げて
重ねていたのに
「さよなら」
の音が轟然と残響して
今までの砦は
片手で振られて
私は重さに気が触れた
「さようなら」
あぁ、そう言って
一抜けたのは
誰だっけ
重ね合わせられた手の数々を
十露盤ばかりで
はじいては
計算高く一引いたのは
ずる賢いあの人たち
ではなく
もしかしたら
私
「さようなら」と
手も振らず
雨に降られた夜遅く
「サヨナラ」と
ぽたぽた
デジタルな文字で
黒く塗りつぶした
気が触れたのは
どのピース
崩れ落ちた積み木は
だれが拾い上げるの
知らない
知らない
知りたくない
真っ白な文字は
もうかけないし
ただ
ひび割れた積み木が
転がっているのを
私
拾えないまま
ずっと見つめている