愛憎

愛憎
恋すれば恋するほどに憎らしく裏切り者の手首を切る朝
親だとかウザイばかりの関係を洗い流した血色の風呂
おとうさんもうすぐ死ぬ死ぬいうけれどあとどれくらいお金がいるの?
おかあさん体が動かないというけれど病院通いはいつでも達者
口ばかりたつ子は要らない家の為働けない子は施設送りに
真似事の詩なんて書いて家の恥さらす詩集に払う金なし
好きな人信じてみても届かない嘘ばかりつく触れない人
ついていこう何度も決めたの君の名をナイフで抉り安心した過去
愛すれば愛するほどに美しく殺めるように絡んだ身体
蛇の恋雌雄の区別がないほどに永い間揺すれ揺すられ
口づけた舌が解けた日の朝にサヨナラだけの言葉を遺す

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