当たり前

真っ直ぐ見つめる瞳に映る
真っ直ぐな歩道を
はみ出さずに歩ける人が
この世にどれだけ居ただろう
けれど 道路の白線の中を
歩ける人が殆どで
多分 青信号で
渡ることが出来る人が殆どで
はみ出して
石をぶつけられる悔しさも
赤信号の空気が読めないと
笑い者にされる悔しさも
ガードレールの中を 行く人達は
知らない
真っ直ぐ前を向き
余所見出来ないくらいの
時間の節電
前が見えないまま
手探りで徘徊する
体験の充電
人、独り
ひとりぼっちの当たり前
そんな見え透いた
我が儘だらけの物差しは
棺桶に入る頃に 気付けば良い
分かり合えない 当たり前が
ぶつかり合いながら
私たちは 平行線のままで
嘘つくように 愛し合う

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