晩夏

先ほどから頭の中を 潮の臭いが通過している
文字と文字の列の間に 空洞を見つけて
遊ぶ子供が 砂場でカラカラ笑う
 (ホラ、ミテ、コレガ、ボクノ、ホネ、)
そんなレトロな歌が 浜辺に流れ着くと
ポツン、と 置かれた巻貝が
笑い声を リフレインする
          ※
浜辺に辿り着いた 白い半ズボン
その股間から 赤い小さな夕焼けが滲んでいる
今日した遊びをほったらかしにして
シャベルを突き立てたままの
砂の城を 後にする

tukiyomi について

著作権は為平澪に帰属しています。 無断転写等、お断ります。
カテゴリー: 02_詩 パーマリンク

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です