らくがき

からだに イヌと かかれた日
はだかで わんわん 泣いていた
そとに でるときは 四つん這い
イヌでは ないが 犬だった
からだに ブタと かかれた日
もっと なけよ、と 笑われて
なくに 啼けずに 哭いていた
ブタの ように 生まれて いたなら
もっと たやすく 啼けたのに
たにんの かいた らくがきが
どんどん ふくらみ こうしんして
からだじゅうを のろいに かける
それが たのしい だれかも いて
とてつもない もじたちが
ヒトを ジュモンに かけていく
わたしの からだに かく ばしょが
きのうで すっかり なくなった
ビルの たにまに ヒトの カタチが
しろい チョークで らくがき された
   わたし、
    (やっぱり ヒトだった
   すべて、
    (しっかり ヒトだった
       *
あすは だれが ターゲット
アシタハ ダレカヲ ターゲット
*「ファントム5号掲載原稿」

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