情け知らず

情け知らず
発ち急ぐ想いに身を委ね
荒波に浚われるまま
自己処罰繰り返しても
我 独活(ひとり)
人の情けに刃を向け
抱かれても 独り
愛情遍歴を繰り返す度に
束の間の癒しを求め
時は無残に親しき人の命
刻々と奪う
情けなき我を
罵倒する声 届かず

過ち繰返し「女」に
なりし日に訃報来しこと
覚悟の上
泣かれても 泣いてみても
歩む
暮れゆくネオン街
夕暮れの薫風冷えて肌恋し
郭公の狡さに格好の悪さ
我独り
ホテルの引き出しに
恥を終まえり
蜜指で走り書きしたメモを残して
「情け知らず 世間知らず」
と 文字は惨めに滲めり

tukiyomi について

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