「私が花と認めるのは桜だけなの」
そう嬉しそうに語る貴女
「花雲 上弦のの月
    人形と為れる私と遊んでよ貴方」
と桜に酔いしれる貴女
「貴方に愛されているから私は自分を愛しく想えるの・・・」
と 真っ直ぐな瞳を向ける貴女
------そんな貴女を僕は裏切り御都合主義の神の手を取り
   貴女を捨てた
貴女は泣きなら僕に
「思い出をありがとう」
と言って微笑んだので
一生僕の中で
美しいまま咲き続けるのだろう
僕は春の雨の中
泣き叫び
貴女の化身である満開の桜の木の下で
罪の重さに跪き
貴女を求めて慟哭し
動けなくなってしまった
願わくは満開の桜よ
その根で
僕の血脈を吸い上げ骨を砕き
僕の血をその花弁のごとく
儚く散らしておくれ
雨に濡れたその一片が
あの人の薄紅色の唇に
触れるまでに・・・

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