再会   〜或る女の為に〜

再会    〜或る女の為に〜
指で弾くような恋をして
泡のようにふくらんだ蕾のままの私
黙って剥がれないマニュキュアを
そっと塗る
この指先に点る灯りは
誰にも触れさせない
指先から身体の芯まで
発光する流動体を
揺らめく炎に変えて
旅人の帰りを待ちましょう
邂逅を一陣の風に今は攫われても
春雨が別離の涙を溶かしてくれる
春 雛罌粟を一輪ください
花言葉は純愛
さらば恋人
されど恋人よ
私は歓んで貴方の礎となりましょう

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