散華の夏

散華の夏
散華の夏
零れた白い夏が
月に還る
晩夏の名を呼びながら
新たな季節に
淫らに燃えて
白肌は紗の薫りを
遺して
西国浄土の夢を
珠にして
夜を数える
泥濘から残されたのは
夏の名残りの
裸の芯
蓮(はちす)
十六方位に
光を宿していながらも
花弁は
珠玉の涙を浮かべた
薄幸の女

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