楽園へ

楽園へ
片手には地球と同じ重さの錠剤
これは楽園行きの片道切符
君からメールも電話もこないのは
きっと鏡の国のウサギに誘惑されちゃったんだね
君は気まぐれアリス
片手には イギリス製のティーカップにロイヤルミルクティ
不思議の国を味わってキノコの上でお昼寝中
アリス
会いたかったよ
会いたかったよ
君は知らないだろうけど
君は知らないだろうけど
片手には地球と同じ重さの錠剤
これは楽園行きの片道切符
君の嫌がる感情は
総てシュレッダーにかけてきて
僕は虚空で愛を詠う
中途半端でダメな智天使(ケルビム)

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愚者の理

愚者の理
汚れたこの手に
紅い慟哭を掴んでは 握りつぶし続ける
  
   自らを傷つけて 
     望んだものを手にする瞬間は
       いつも
         残酷で
            ひどく…
     
                 愉快だ

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合掌する手

合掌する手
戦後資本主義が生んだ
ユウセイホゴホウにより
堕胎天国は幕を開け
女共は 素知らぬ顔で殺し続けた
透明なぬけがらを
何体背をっているかが
ステータスになった男に足を開き
従軍慰安婦の末裔は
要らぬ命ばかり生産する
間違えて産んでしまいました
の 生存許可書は剥奪され
虐待と衰退と餓死の履歴書は
積載量オーバー
社会保険庁博愛児童福祉課は
困るんですよねぇ
の一点張りで愛想笑い
ぐるぐるまわってあの世から
いつのまにかの偶像崇拝
透明なケースの中
飲めない牛乳
使えないお金
線香一本の人生
必ず消えるろうそく
となりには
薬指に炎のようなルビーが灯る
おばさんの
オムツも代えたことのない
合掌する手

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鳴りやまない世界

鳴りやまない世界
世界が傾いてみえるのは
私の首が斜めだから?
左手が震え出すと
地球上にない酸素を吸うの
白い粉と錠剤たちに征服されると
私は 世界に弾かれて
何処かで即興的に作られたお経が聴こえるわ
神の国は
ベッドの乱れたシーツの上にも
マッチの火のような
家の灯(あかり)にも
貴女の心音の高鳴りにもあるのに
黄金の骨壷の中の隠し金が
紙の国
世界が傾いて見えるのは
私の首が斜めだから?
貴女は今日産まれて
私は治療費に埋まれて
二人の境目の
「祝福」と「退廃」の生存記号の賃金は
いつもの渡し守から
着払い
今日も空は
何事もなかったように綺麗だわ
なのに
お経が
鳴りやまないの
ずっと神様が笑って見てる
まるで
悪魔のような顔をして

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誕生日の君へ

誕生日の君へ
赤き紅 さしたる君に揺らぐ瞳(め)を 赦したまえと 月が哀願
君が為 望みとあらば 唇に 101回目の プロポーズ
永遠を 誓う契約 夜に描き 君に歌うよ エターナルロマン
紡ぐ愛 紡ぐ指より 絡め取る 僕の未来は 君の小指に
愛なんて 安っぽいのは 嫌いなの 絆になるまで 未来を誓って
一月の 誕生石は ガーネット 指輪は一つ あとはいらない
午前2時 僕が夜空を見てる頃 君の産声 聞いた気がして
これからも よろしくなんて いわないで これからさきも ずっとよろしく

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行方不明の激情

行方不明の激情
ミロ

千切れたこの腕に
愛欲の勝利を
自らを傷つけて
望んだものを手にする瞬間は
  いつも
     残酷で
        ひどく…
     
             愉快だ

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しようか

しようか
猫に 紫陽花  猫と 紫陽花
紫陽花  紫陽花  紫陽花 
猫の秘蜜    味わい太陽
猫に 紫陽花  猫と 紫陽花

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女郎蜘蛛の恋人

女郎蜘蛛の恋人
絡め取ってください
その粘りついた
銀の針で
貴女の真ん中で
紅い鼓動に
とどめを刺して
五臓六腑に飛び散ったベネチアンを
貴女にすべて捧げるから
私を編み込んで
作り替えて
例えば
従順な玩具犬に
例えば
貴女の胸に輝く
琥珀のペンダントトップに
なんにも
怖くはないの
怖いのは
貴女の役に立たない
身体とか
心とか
だから
早く紡いで!
濡れて粘りついた
彼処の糸の煌めきを
貴女の指で
編み込んで
声さえ
あげないから
さぁ 早く
貴女の濡れた指を
私の糸が
触れてと叫んで 溢れ続ける
煉獄の檻の中
もう 我慢できないの
お願い
早く
貴女の内に
編み込んで
狂わせて
嘘で殺して
くちづけて
そして
早く
早く・・・
・・・食べて
ねえ
私の喉仏に
貴女のイニシャルが
成婚の証でしょ

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25時の魔女たちへ

二十五時の魔女たちへ
紅月夜 冷たい指で奏でられ その旋律に桜(はな)は乱れて
温もりを 欲しがる猫にイルバチオ 楽園の香は殺人の味
月の使者 紅き名を持つ魔女の肌  聖痕(キズ)に焼かれて血を流すのみ
恋に酔い サバトに踊る魔女一人 後ろ手に縄 胸元に華
漏らす音 溢れる声も檻の中 肉体(カラダ)すら 心裏切り 主を求め
寒き夜も すきま風すら弾かれて 胸元にキス 下肢に法悦
チョコレート 溶け出した夜に滑り出す 甘い恋こそ 秘め始めなれ
人知れず 25時に咲く桜(はな)の 花弁をエキスに魔女(シトリー)は笑う

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日の出

日の出
黒いとか白とか黄色の肌事情 光射照らせ ラインを超えて

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